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「竊聴風雲2」
 緻密な構成をする監督と、センスで撮るザル構成の監督と。どっちの映画も観ていて疲れるなあ、と思ったのは、前者の代表イー・タンシンのと、校舎の代表ジョニー・トーの映画を続けざまに観たせいかもしれません。
 これはその、イー・タンシンもの。「新宿インシデント」なんか比べ物にならないくらいのバッド・エンディングだった前作が興行的に成功したので、同じ主演で同じテーマ、けどストーリーは別物で作った続編です。
 うーむ。前回よりも「盗聴」が減って「経済」が増えたので、ものすごく頭を使わなくては話に置いていかれてしまう。特に今回の「株取り引き」ネタは、日本語で全部説明されたとしても苦しいような複雑さで、さすがの私も青息吐息になってしまいました。ええっと、元本をそのまま返してもらっただけで主人公が満足せず、株取り引きを操作したのはなぜだったのかしら。

 劉青雲が、その株屋さん。その株屋さんのインサイダー取引を盗聴してるのが呉彦祖。そして、彼らを追っかける刑事さんに古天樂、ですがこの古天樂がえらくカッコいい! 保安部(返還前の政治部。内外の政治問題に触れちゃいそうな敏感な事件を専門に担当します)の刑事さんなので派手なシーンはなんにもないんだけど、すっごく雰囲気が出ていてすばらしいです。
 それと、おひさしぶりねのケネス・ツァンの悪人ぶりも絶品です。彼の役は、香港の金持ちの株主がひそかに結成した地下組織「地主會」のリーダー。これは元々、香港経済を乗っ取ろうとする外国勢力に対抗するため作られた正義の秘密結社だったのですが、やはり欲がからむとロクなことにはならなくて…というもの。この設定は「うまい!」と思うんですけどねえ。闘う方法が株の売買なので、ストーリーを追うにはかなりアタマをフル回転させる必要があります。
 それでも最後はちょっと泣ける展開だったりするのは、前回のあのバッド・エンディングがあまりにひどい!という人が私の他にもいたせいでしょうか。ともかく、いろんな意味で一瞬たりとも気がぬけないので、観終わった後ものすごく疲れる映画です。時間のあるときに、気合いを入れてからごらんになることをお勧めします。

 あ。けど、なんで呉彦祖が軍用の盗聴器を使ってたのか(←このせいで保安部の古天樂がこの事件に関わってくる。そうでなければ株取り引きは商業罪案調査科が担当)、最後まで説明がなかったような。え? 私、あんなに集中してたつもりだったのに、やっぱりどっか見逃してた?
| 星野ケイ | 星野ケイ | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
「血戦」その他あれこれ
 原題は「奪帥」。超豪華キャストをとことん無駄遣いした、ガックリするようなダメ映画。なのになぜかこのタイトルでDVDになっちゃいました。
 なによりサモハンとサイモン・ヤムが実の兄弟っていう設定が信じがたい。二人がどんなに演技を上手にしても、上手であればあるほど嘘くささが増すという悪循環。しかも監督が豪華なキャストに舞い上がってあれもこれもと思いすぎたのが、画面からも痛いほど伝わってきちゃいます。素人の作ったラブソングの歌詞みたいに、あれこれ詰め込みすぎ。
 それでも李sirが出てるからなあ…。うう。

 にーちゃん関連のDVDも続けざまに発売されましたね。「密告・者」と「ドリーム・ホーム」と。
 
 それと、松山人のみなさまよ。あの、ニック・チョン張家輝くんの怪演ぶりもなつかしい「証人」が、「ビースト・ストーカー/証人」というタイトルで、7月14日から大街道シネマサンシャインで公開されますぞ!
| 星野ケイ | 星野ケイ | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
「東成西就2011」
 ではmakiさんのためにこの映画のレビューを(笑)。

 黒薔薇や西遊記三部作で有名なジェフ・ラウ劉鎮偉の映画です。…私はジェフ・ラウにもよく置いていかれてしまうので、かなり警戒してみました。
 …置いていかれるも何も。最初からぜんぜんついていけてなかったような。
  いつものジェフ・ラウっぽく、ヘンなギャクや突拍子もない設定、つながりのわかりにくい展開のあと、ラスト近くになると唐突に「真実の愛」をうたいあげるのですが……いくら覚悟をきめてても、老いてかれるもんは置いてかれちゃいますなあ、とほほ。

 「東成西就」というタイトルは、日本タイトル「大英雄」のあの映画と同じ。ほら、あのウォン・カーワイの「楽園の瑕」の撮影があまりに進まず、豪華キャストたちの契約が切れそうになったので、プロデュースのジェフ・ラウが慌てて資金回収のため一週間で作った脱力映画です。(ちなみに武術指導はサモハンだけど、一週間フル出勤したスタントマンは嘉樂にーちゃんただ一人。だからにーちゃんは自分で殴りかかって自分が吹っ飛ぶ、みたいな全員分のスタントを昼夜ぶっ通しでやらされたそうです)。
 けどこの映画は別に前のとつながりがあるわけでなく、監督としては金庸の「天龍八部」をパロったと発言してるけど、別にそんなふうでもなく。だいたいケニー・ビーがケニー・ビーの役で出てきて(しかも数年前の、浪費妻のせいで自己破産した設定で)、ケニー・ビーが借金取りに脅されてウィナーズのコンサートを企画するけど仲間がうまく集まらなくて…というのがネタのとっかかりになっているので、最初っから「あいたー」って感じ。これ、ケニー・ビー自身が製作に関わってるから許されるというか、そんなわざわざ自分のイタいネタを出してこなくても…というか。これで気分良く笑える、あっけらかんとした香港人になれたら、どんなに気が樂でしょう。
 ケニー・ビーの娘役がこの映画のヒロイン、カレン・モク。借金取りから逃げるために乗ったタクシーの運転手が、葉問にあこがれるカンフーの達人ウィリアム・蘇永康(なんでや)。大金持ちの娘だけど家出してロック歌手を目指すステッフィー。そのお目付け役の、上昇志向のモーレツ社員役がジャッキー・チェンの息子ジェシー・チェン。子持ちの貧しい手作り饅頭屋のイーキン・チェンはなぜか聾啞者という設定。これにケニー・ビーの浪費妻を足した七人がなんと天龍八将の生まれ変わり。彼らは八千八百八十八回の生まれ変わりを運命づけられており、毎回必ず八将の裏切り者である夜叉と戦って敗れることになっているのでした。
 さあ、ついてきてますか、みなさん。
 彼らがウィナーズに化けて行うことになったウソウソウィナーズのコンサート中に、夜叉が現れ、彼らも天龍八部の能力を取り戻し、観客を助けて大活躍。たちまち中国全土が天将ブームとなり、ファンクラブができたりものまねコンテストが行われたりの大騒ぎ。そんな中、阿修羅の化身であるカレンは、悪辣に儲けてる中国企業の総帥であるイーソン・チェンに恋をします。けれどもイーソンはカレン自身じゃく、阿修羅である彼女に恋してるみたいで、切ないカレンは胸キュン。
 そろそろ限界ですか? それともまだ大丈夫?
 しかし、ああしかし。イーソンの正体は夜叉だったのです。実は阿修羅は転生するたび夜叉の化身に恋をし、利用され、殺されるという運命を背負っているのでした。
 このへんから話は一昔前の少女マンガみたいな世界に突入。ピンクのフリルだらけの衣装をつけ、長い金髪をなびかせた乙女チック戦士カレンは、黒い羽のついた黒衣の悪魔イーソンの心に飛び込み、真の愛を呼び覚まそうとするけれど…という展開になってきて。

 キャストは確かに豪華だけど、ほとんど必要ないじゃん!という使い方なのも残念です。撮ってるうちに監督がカレンのキャラに肩入れしすぎて、撮るつもりだったことを忘れてしまったのかもしれません。イーキンが手話を使うのも、ウィリアムがカンフーの達人なのも、なーんも話に関係ない。だいいち、こんだけ歌手を集めておいて、歌手なのは歌手じゃないステッフィだけ(阿Bはそりゃ、阿Bだけど。借金返すためにお化け屋敷でお化けのアルバイトしてたりする。なんでやねん。歌わせてよ)
いくら感動的に終わらせたって、今度こそだまされんけんね!














| 星野ケイ | 星野ケイ | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
「我愛香港2012喜上有喜」
 エリック・ツァンがTVBの資本で撮るお正月映画の第三弾…とはいえ、今回エリック・ツァンはプロデュースのみで、監督は「獎門人」などのバラエティのプロデューサーとして知られる錢國偉さん。この間の春、にーちゃんと一緒に東京に来た、太ったオジサンです。最近は若手を使ったおしゃれなアーバン・ラブコメディ映画を撮って、けっこうヒットもしてるんですが……。うーむ。エリック・ツァンのカラーを出そうとしたのが災いしたか、どーもいまいち、まとまりがないような。映画の一瞬一瞬を楽しむことのできる香港人なら特に問題はないのでしょうが、思いつきで撮られた(に違いない)単発ギャグの、あまりの関連のなさっぷりがちよっと残念です。ラストはそれこそエリック・ツァンのカラーどおり、ヒューマンにちょっとあったかい気分で泣けるラストになってるんだけど。

 今年は映画界の一流どころをあえて起用せずTVBの内部の人材だけで撮ったことで逆に話題になってたんですけど、さすがはエリック・ツァンで、TVBの中でもちゃんと演技のできる人ばっか選んであるから、特に問題は感じません。
 あ、でも主演はおひさしぶりねのフォン・ツイフェン。覚えておいででしょうか。サモハンの「福星シリーズ」で五人組のリーダー役をしていた、通称「ヒゲ」のひとです。やっぱりベテランだけあって、何をやらせても安心。でもこの人、若い時からフケ顔だっただけに、「五福星」の時代と比べてもそう年をとった感じはしないのに、話の中ではやたら老人として描かれているのがちょいと違和感。なんせ、彼の娘がテレサ・モウで、その旦那がエリック・ツァンで、「お父さん」と呼びかけるんですもの…。(そのくせフォン・ツイフェンの弟役は麥長青(この人も春に来てましたね、そういえば。この映画を撮り終わってから来たわけだ)だったりするんだな。麥包(まくぱお。麥長青さんのあだな)さんってそんな年じゃないでしょ)

 話のネタは「ファティマの予言」。2012年に世界の終末がくるという予言を演出して稼ごうとする金持ち(これがウィリアム・蘇永康。彼なりにいろいろ工夫して面白いキャラにしてるのに、演出で生かされてなくて残念。特に、腹が立ったとき「ドラえもん」を歌って心を鎮めるというネタはもっと使ってあげたかったな)と、ベタな庶民とのタタカイを描きつつ、家族の絆の大切さを語るという趣向です。錢國偉さんのギャグセンスはエリック・ツァンよりも赤裸々な助平ネタが多くて、中学生男子のワイ談みたいなネタが山ほど入ってます。

 ああ、それと。
 私も見るまで知らなかったんですが、この映画のアクション指導がおにいちゃんでした。ラストの大団円のシーンにも出てきます。群舞シーンなんだけど、ひとり派手なapeのカモダウンジャケット着て、小学生みたいにぴょんぴょん飛び跳ねてるので、すぐ見つけられますよ。それにしてもにーちゃは、全然動けない美人女優をカンフーの達人みたいに見せるのがうまいなあ。
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夏の誕生会参加予定者に朗報です!
 会場がとれました!
しかも、ずっと狙ってた、中環の「茶餐庁仕様のstarbucks」が!!

最近は日本のガイドブックにも紹介されるようになりました、ご存知GODとstarbucksがコラボして作った「主題茶餐庁」。←これってここ数年の香港ではやっているのですが、そのハシリといえるお店です。中はレトロなグッズや装飾がところせましとディスプレされてるおしゃれな空間。椅子やテーブルの三分の二は茶餐庁仕様ですが、残りの部分にはちゃんとソファなんかがあってくつろげるようになってます。

starbucksでは今年の春に旺角でも古い映画館を模した主題茶餐庁が作られていたのですが、こっちはさすがに開いたばかりだし、貸し切りにはできないそうです。

でもって、すぐ近くのランドマーク・マンダリンオリエンタルホテルの超豪華スィートを当時の秘密基地として借りましたので、こちらもお楽しみに!

てなわけでことしのテーマは「レトロ」。服装は五十~六十年代レトロか、浴衣でどうぞ。浴衣は周太さんが着付けてくださるそうですよ。
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